ヤコブとエサウの和解

 今日もヤコブの和解について書いてみようと思います。今日は、ヤコブエサウの和解です。たぶん、エホバの証人の認識では、ヤコブエサウから、祝福を奪ったという認識が強いように思います。

 エホバの証人は、パリサイ的傾向の強い比較的強いパウロびいきですので、バランスよく読むのがよいと感じます。

 ヤコブや、エサウから奪い取りますが、最後にヤコブは、エサウに贈り物を贈って、エサウに許してほしいという気持ちを表します。こうして、兄弟間の争いは、幕を閉じました。

 聖書では、神と人との関係、人と人との関係、このどちらもそうですけれど、裏切り、恨み、争い、という過程の後に、和解がきます。この流れをしっかりと追ってほしいと思います。

 では、ヤコブエサウのやりとりを見てみましょう。

エサウの長子の権をヤコブは奪う

 ヤコブは、エサウが疲れているところに乗じて、煮豆との交換で長子の権を売ってもらいます。

「あなたの長子の権利をまずわたしに売ってください」(中略)すると[エサウ]は彼に誓い、長子としての権利をヤコブに売った。
(創世記 25:31-33)

エサウの祝福をヤコブは奪う

 ヤコブは、父イサクからの祝福を、エサウから奪います。エサウは非常に怒ります。

すると[エサウ]は言った,「だから彼の名はヤコブと呼ばれるのではありませんか。こうして二度もわたしからせしめるとは。わたしの長子の権をすでに取り、そして今度は、見てください、わたしの祝福を奪い取ったのです。
(創世記 27:36)

 こうして、ヤコブエサウからの復讐を恐れるようになります。

ヤコブは贈り物を贈って、エサウから許しをえる

 ヤコブは、レアとラケルと結婚した後、元の土地に帰ることになります。そのときに、エサウに会うことを非常に恐れました。自分を殺してしまうかもしれないと思ったからです。ヤコブは、エサウに贈り物をすることで、エサウから許しを得ようと考えます。

 ヤコブとその一行は、順番に、エサウに身をかがめながら進んでいきます。そして、エサウヤコブとの再会です。

するとエサウは走り寄って彼を迎え、抱擁し、その首を抱いて口づけするのであった。そしてふたりは涙を流して泣いた。
(創世記 33:4)

 エサウは、すでにヤコブを恨んではいませんでした。エサウヤコブの和解です。