あなた方は剣で食い尽くされる

 エホバ神は、地球を形作りそこに人を住まわせました。アダムは神から決してしてはならないと言われていたことを行い、その結果死にました。あなたは必ず死ぬといったエホバの言葉が成就しました。

 聖書を読んでいるとエホバは怖いなぁと思う箇所がたくさんでてくるのではないでしょうか。特に、ヘブライ語聖書には、恐ろしく思える場面がたくさんでてきますね。ちょっと怖いなぁと思える表現もたくさんでてきます。

 こんな表現はどうでしょうか。

 しかし、あなた方が拒み、実際に反抗的になるなら、あなた方は剣で食い尽くされる。エホバの口が[これを]語ったからである。
(新世界訳聖書 イザヤ書1章20節)

 反抗的になるなら「剣で食い尽くされる」、つまり殺されるということです。

 平均的な感覚で考えて、この部分だけを読んだとすると「反抗的になったら殺す」ってどんだけひどい奴なんだーと思ってしまうに違いありません。

 人間の社会には、裁判官という職業があります。法律に照らして、違反していたら、それに対応する罰を与えるというお仕事です。小さな罪には、小さな罰を、大きな罪には、大きな罰を与えます。公平の原則があります。

 裁判官は何のために罰を与えるのでしょうか。それは、もちろん正義のためです。もし悪いことをしても、罰がなければ、良いことをしている人はとても不公平な気持ちを持つと思います。どうして悪い人と、良い人が同じように扱われるのだろうと思うのではないでしょうか。

 そして、反抗的になって罪を犯す人に、罰を与えるからといって、裁判官は「ひどいやつだー」とは思いません。それが公正な判断なのであれば、必要な役割だと思うのではないでしょうか。

 エホバ神は、地に人を住まわせました。そして人が幸福な生活を送るためのルールを定めました。神がルールを破った人を罰することには何の不正もありません。正しいことを行う人のために、罪を犯した人を罰することには、何の不正もありません。

 エホバは完全な方なので、その裁きは常に正当で、正しく、間違いはありません。聖書を読んでいくと、人間の観点から見て、不釣合いな罰と思える所があるかもしれませんが、エホバはもっと多くのことを考慮に入れられ、それに対応する罰をお与えになっています。

 エホバはある意味で恐ろしい方ですが、エホバへの健全な恐れは、僕たちが罪を犯さないための守りとなっています。

 それでもやはり神の最も際立った特質は「愛」です。聖書を読んで、神の愛について理解すれば、神が裁きを行われる理由をもっとよく理解することができてきます。「神は愛ある方なのだ」という信仰を持って読めば、聖書全体の理解がとても深まってきます。