イスラエル人はエホバではなく人間の王を求める

 古代イスラエルには、人間の王様がいます。サウル、ダビデ、ソロモンなどです。けれども、人間の王という存在は、エホバがイスラエル人にすすんで与えられたものではありませんでした。

 かたくななイスラエル人に対して譲歩として与えたものでした。イスラエルの年長者たちは預言者であるサムエルに次のように言います。

どうか今,諸国民すべてのように,私たちを裁く王を私たちのために立ててください。
(新世界訳聖書 サムエル記第一8章5節

 エホバは民の言うことに従うようにとサムエルに告げます。そして、その結果も当然受け入れるべきであるということもあわせて警告しました。

そして,その日,あなた方は,自分たちのために選んだあなた方の王のゆえに必ず泣き叫びますが,その日,エホバはあなた方に答えてくださらないでしょう。
(新世界訳聖書 サムエル記第一8章18節)

 人間の王を立てるという方法はエホバの目からみれば良くないことです。エホバは、人が人を支配する体制を快くは思っておられないからです。

 ご自分が選んだ王イエス・キリストによって、ご自分が設立された神の王国によって、天から地上を支配するというのが、エホバが望んでおられる政治体制です。

 ある人たちがある役割を担うとしても、それは誰かの上に立つということを意味してはいません。だれかが他の人の信仰の主人になるということは、聖書の考え方ではないからです。