神は残虐に見えるかもしれないけれど、人間はもっともっと残虐だ

　人間はとても残虐です。それは、罪のない動物を平気で殺してしまえるからです。血を吸ったというだけで、蚊は残酷にも殺されてしまいますし、はえは飛んでいるだけで殺されてしまいますし、ゴキブリは見ていて汚い、不快だという理由だけで殺されてしまいます。かわいそうなゴキちゃん。ゴキ権はどうなっているだ!

　動物からみれば、人間は神よりもずっとずっと残虐でしょう。動物たちは、環境破壊によって生きる住処は奪われ、人に害を与えるなら簡単に殺され、肉として食べられる。家畜に疫病が流行ったら、数万頭単位で、広がらないように、殺される。

　しかし人は、自然にそのような行いを行っています。人の命に比べれば、動物の命の価値というのは、ずっと下だということを、人はよく理解しています。動物たちが、人間に害を加えようとすれば、殺されてもしかたがないと考えます。

　神が人間に対して残虐だと考える人は、人間の動物に対する残虐さについて、考えているのが、よいヒントになるかもしれません。

　神は人間にこういわれました。「気を付けて，わたしが命じるこれらのすべての言葉に必ず従うように。」人は神の言葉を聞くようにと。神は自分の下に人を置きました。

　そして、こうも言われます。「子を生んで多くなり，地に満ちて，それを従わせよ。そして，海の魚と天の飛ぶ生き物と地の上を動くあらゆる生き物を服従させよ」。「それ」というのは、地のことです。また動物たちを服従させるようにといっています。神は、人間の下に動物を置きました。

　神は「人は神に従順であるように」「人は動物を服従させるように」といいました。しかし人は神の言葉に信仰を持たず、もたらされている結果は「人が人を支配して害を及ぼす」ことがなされています。人の中で、だれが偉いとか、偉くないとかそういうことが繰り広げられています。

　人がゴキブリを汚いという理由だけで殺害するのであれば、神が義なる者のために、裁きを行うことに、どのような不当があるというのでしょうか。ペットの猫をかわいがり、ゴキブリを汚いといって差別するのであれば、神がご自分の憐れむ者を憐れんだからといって、どのような不当があるのでしょうか。「ご覧なさい，自分の目の中には垂木があるのです。」