モーセの十戒を思い起こす

 シナイ山で、エホバはイスラエル人にモーセを通して、10個の律法をお与えになりました。今僕たちは、律法の元にはいません。つまり、モーセの律法によって、直接裁かれるということはありません。また、律法を守ることによる救いということも、律法が廃棄された以上ありえません。

 クリスチャンは書かれた律法ではなくて、心に書き込まれた神の思いによって歩みます。命の救出は、イエス・キリストへの信仰によります。

 けれども、律法は、神の心を知るという点では、今でも非常に有用なものです。なぜなら、律法によって罪が明らかにされているからです。つまり、神から離れるというのは、どういうことなのかとうことが、書かれているからです。

 これによって人を裁いてはなりませんが、神を友とする、神の子供となるためには、各自の信仰にとって、大いに役に立ちます。

 さてひとつづつ見ていきましょう。

エホバ以外のものを神としてはならない

 一つ目は、「エホバ以外のものを神としてはならない」です。エホバだけが、神です。巧みに、神になり代わろうとする人は、歴史上にたくさん現れましたが、そのような神の権威を主張する人には、注意をして、エホバだけを神としましょう。

偶像を作ってはならない

 二つ目は「偶像を作ってはならない」です。エホバは見えない方です。エホバは「何にでもなる」方です。ですから、動かない像、形のある像を作って、それを崇敬の対象にしてはいけません。「組織」というのもまた人間が作った像でもあります。そのようなものに、身をかがめていないかは、要チェックです。

エホバの名をいたずらに取り上げてはならない

 三つ目は「エホバの名をいたずらに取り上げてはならない」です。エホバの名を、神にかなった目的のために取り上げていますか。それとも反対に、エホバの名を汚すことに加担していませんか。どうでしょうか。

安息日を守りなさい

 四つ目は「安息日を守りなさい」です。僕たちは、もう安息日の律法の元にはいませんが、「エホバが設けた休憩の時間」という考え方については、考慮するとよいと思います。

 6日働いたあとは、きちんと休憩の時間をとることを、人のために定めてくれました。では、神の思いに従って、働きすぎてうみ疲れていないかということを、どうか考慮してみてください。リラックスできる休憩の時間を、とることができていますか。

あなたの父と母を敬いなさい

 さて五つ目は「父と母を敬いなさい」です。自然に読むと、自然に飲み込めるものではないでしょうか。

 「親に従順でありなさい」は、ものみの塔協会のせいで、トラウマ聖句になっていますが、この律法は、子供たちをないがしろにすることを、教えているわけではないのです。父と母を敬うことを教えています。よく耳を傾けること、感謝する気持ちや、大切に扱う気持ちを教えています。

 イエスは、子供たちがないがしろにされていたことを知っていたので、子供たちを大切にしましたし、パウロも、すべての人を敬いなさいと書いています。また親にとっても、子供たちから愛されることは嬉しいことでしょう。

あなたは殺人をしてはならない

 六番目は「あなたは殺人をしてはならない」です。簡単なようで、よく考えておくとよいと思います。そんなの当たり前だと思うかもしれませんが、人は、正当化しさえすれば、殺人を正義のために犯すことができます。

 正当防衛というのは、必要なときもありますが、いつでも戦争は防衛戦争という名目のもとに行われるので、注意しておくことにこしたことはありません。

 だから、よく思いにとめておくことは、よいことだと思います。このことを思いにとめるのであれば、間接的な殺人についても、考えることができると思います。

 たとえば、命を保つために、輸血が必要になった人を、断絶とみなして、みんなで無視するというのは、その人の命の決定に重大な影響を与えます。それで、間接的な殺人に、自分は寄与していないかということも、考えてみましょう。

あなたは姦淫を犯してはならない

 七番目は「あなたは姦淫を犯してはならない」です。姦淫というのは不倫のことです。結婚相手以外と、セックスすることです。性器を触ったり、性器を触らせたりすることです。結婚関係がない人の、性器を触ったり、自分の性器を触らせたりしたらだめです。

 これは「長老に従いなさい」という基準よりも、はるかに重いことです。あなたはその長老が好きで、結婚しようと思っていますか。また、法律で、結婚できる年齢になっていますか。

 そうでなければ、性器を触らせたり、性器を触ったりしちゃいけません。おっぱいや、おしりを触らせたりしたらいけません。そんな長老がいたら、突き飛ばしてください。勇気を出して、その場を離れてください。

あなたは盗んではならない。

 八番目は、あなたは盗んではならないです。もちろん法律に引っかかるというのは、だめですけれども、巧みな方法で他人から盗んではいないかということも、考えてみるとよいと思います。

偽りの証言をしてはならない

 九番目は、偽りの証言をしてはならないということです。また、これは正直でありなさい、二枚舌を使ってはいけませんということにも、関係がありますね。神を愛する人は、二枚舌にどうか気をつけてくださいね。

仲間の持ち物を欲してはならない

 十番目は「仲間の持ち物を欲してはならない」です。自分でお金を稼いで、自分で買いましょう。巧みに、人から奪うということには、注意をしましょう。特に、巡回監督は、他人の住処を目的にするのではなくって、自分でお金を稼いで、ちゃんと住むのがいいと思いますよ。

十個の検討を終えて

 さて、どうだったでしょうか。神と一緒に歩いていくことができそうですか。それとも、十個とも×だった場合は、自分は、もしかしたら、おかしな価値観の中にいるかもしれませんよ。