ものみの塔研究考察「心理的に罪悪感を持たせる手法について」
2013年4月号研究用ものみの塔「うみ疲れてはなりません」を引き続き読んでいきます。
ものみの塔研究ではときどき「心の正直な人」という表現がでてきます。でもその意味は、正気な人という意味ではありません。
心の正直な人を探し出す
心の正直な人というのは、伝道活動においてエホバの証人の話を聞いた人にいつでもあてはめています。つまり話を聞いた人は「心が正直、いい人」、話を聞かなかった人は「よくない人」なのです。
僕は宣教奉仕をするときに、家の人が話を聞いたら兄弟・姉妹たちが「いい人にであえた?」と聞くことにいつも違和感を持っています。自分の話を聞いたがどうかが、お家の人がいい人かどうかという基準になんてしてほしくないです。
さてこの副見出しについてみていきましょう。副見出し全体が、組織と宣教奉仕のふたつだけに焦点を当てるものになっています。結局今回の記事は「集会」「奉仕」「個人研究」という三点セットがエホバの崇拝であるということを、刷り込むための研究記事です。
でも皆さん決して間違ってはいけませんよ。「神は見えない方なので、霊と真理によって崇拝しなければなりません」がイエスが言われた言葉です。巧みな言葉で、目に見えるものによる崇拝を推し進めることは、罪なことだと思います。
ものみの塔協会が、これを押し進めてきたために、子供たちは、多大な犠牲者になってきたということを自覚しましょう。
宣べ伝える業に十分参加することも、エホバの組織と歩調を合わせるための助けです。
(p29)
十分という言葉を挿入することも、ひとつの作戦なのだと僕は思います。こう書いておけば、十分参加していないという自覚が心の中にある人に対して、罪悪感を抱かせることができるからです。「あぁ、自分は十分に宣教奉仕に参加していないんだ」という罪悪感が、兄弟・姉妹を苦しめます。
今日、エホバの組織の知的な部分は、極めて重要なこの業を支えるためにきちんと組織されています。あなたも宣教を主要な関心事としていますか。
(p29)
「極めて重要な」と書くことで、十分に参加していない人の心には「極めて重要なことに自分は十分参加できていない」という罪悪感が起こります。開拓奉仕が楽しいという秘密は、こういう言葉によって心が責められなくなるという部分が、かなり大きいように僕は感じています。
開拓奉仕を始めてしまえば、研究用ものみの塔に掲載されるこのような責めの言葉に罪悪感を感じなくてもすむからです。けれども、特権はうまく利用されるための第一歩なので、得ることはまったくおすすめしません。一杯の煮汁のために、イエスへの信仰を失ってしまう可能性がとても強いです。
次は開拓者の盲目的な賛美について書かれています。組織が与えた特権を持つ人を賛美することで、間接的に組織賛美を行うという方法もよく利用されます。
長老として、また開拓者として長い経験を持つミッチェルの言葉に注目してください。(中略)その知恵と洞察、その完全にバランスの取れた内容に驚嘆させられます。
長老賛美、開拓賛美、人間賛美です。特権を持つ人たちへの賛美です。いったい子供たちや女性たち、イエス・キリストはどこにいってしまったのでしょうか。
霊的食物を取り入れる
エホバはわたしたちを強めるため、出版物の形で霊的食物を豊かに与えてくださっています。
(p30)
またもやエホバが直接行っておられないことを、統治体は、エホバがやっているように語ります。このような神の名を借りた手法に注意してください。聖書には「エホバが出版物によって霊的食物を供給しています」などとは、まったく書かれていないからです。
聖書に書かれていないことを偽って、神が行っているように記述することは、罪深いです。
わたしたちは霊的食物をすべて取り入れて黙想するように努力するでしょうか。
(p30)
ものみの塔には、このような修飾語が異常に多いです。特に、組織賛美にかかわる部分において、自分はたんるアドバイザーの立場に身をおいて、心理的圧迫を加えるために、このような技法が使われていると推測します。
結局ものみの塔協会が行いたいことというのは、神へ導くことではなくて、組織崇拝なのだということが、今回の記事を読むと理解できると思います。
ですから、エホバの組織を通して与えられるすべての霊的食物を、勤勉に取り入れたいものです。
(p30)
もやは、聖書も、エホバも、イエス・キリストも、立場の弱い女性も子供たちも、ものみの塔協会の頭の中にはないようです。組織の前進、組織の援護、統治体の権威の維持が主要命題となっていて、兄弟・姉妹ひとりひとりのことは、何の考慮もなされていません。
巡回監督や長老たち、小さな特権を維持するために、ものみの塔協会の心理的な策略にどうか陥らないようにしてください。あなたがたは、うまく利用されています。