伝道の書を読む 第一章「すべてはむなしい」

 「何とむなしいことか! すべてはむなしい」と、ソロモンはいいます。「あるようになったもの,それがあるようになり,行なわれたもの,それが行なわれるようになる。したがって,日の下には新しいものは何もない。」といいます。

 伝道の書は、ソロモンの心のむなしさの表現で始まります。

わたしは日の下で行なわれるあらゆる業を見たが,見よ,すべてはむなしく,風を追うようなものであった。
(伝道の書 1:14)

 すべてのことは、風を追うことのようにむなしいとソロモンはいいます。

 また、知恵を求めました。知識を蓄えます。けれども、知識を蓄えることもまた痛みを蓄えることでした。知恵を蓄えても、そのことによって、苛立ちがまします。骨折って働くこともむなしいといいます。

 すべてのものをほしいものにできる立場にあったソロモンでさえ、虚無感にさいなまれていました。