ベテルのリストラと、裏腹な心

 長年ベテルで働いてきた人が、ベテルをやめるということについて考える。ベテルをやめるほとんどの人は、こんな風に考えると思います。「エホバの役に立てる場所で奉仕することは最善」とか「野外での活動を増し加えることにいつでも応じる準備ができていました」とか。

 こういう風に考えるんじゃないでしょうか。ひとつは、ベテルでそのような教育が行われているということ、もうひとつは、自分を慰めるためでもあります。

 ベテルをリストラになれば、複雑な感情が生じます。みんなに見せる顔は、よい顔を作るのだろうと思います。けれども、実際の深い部分の心は複雑です。

 もし開拓奉仕を行うというのであれば、今よりも非常に多くの時間、働く必要があります。まずパートタイムの仕事を探して、自分の生活を支えてから、開拓奉仕でさらに時間を入れる必要があります。はっきりいって、それは大変なことです。

 開拓者というのは、体力があって、健康だからこそできます。だから、ベテルから出て、安易に開拓者になれるとも思わないほうがよいです。働く種類が異なるので、思っている以上にきついからです。

 しかし、一方で、開拓者を行わなければ、あなたには、もう何の特権もありません。あなたは、今までは、注目や羨望を浴びる兄弟・姉妹でした。けれども、特権を失ったあなたは、もはや、注目や羨望を浴びることはないのです。あれだけ、尊敬を受けていたことは、あなたの性格や人格ではなくって、ベテルで働いているという特権であったことを、いやおうなく痛感するでしょう。

 いまやあなた方は、人々の冷たさを実感する日が近づいてきています。あなたに対して、笑顔を振る舞い、もてなしをし、優しい表情を見せたのは、実は、あなたの心に対してではなく、ベテルで働いているという特権に対してだったのです。ベテルをリストラになれば、エホバの証人の病的な心を見ることになるでしょう。

 ものみの塔協会本部には、まだまだ巨額の資産が存在します。けれども、支部には、もう資産がそれほどない。そういう事情が、ひしひしと伝わってきています。皆さん方を切り捨てていくのは、まだ余力のある本部です。もし、うらむのであれば、彼らを恨みましょう。

 新本部建設と特別な翻訳者のための豪華な施設を作ることが最優先にされていて、各国の支部ベテルの末端の仕事については、もういらないと本部は言っているのです。

 僕は、みなさんの心の支えになれたらと思っています。心を壊してしまいそうなら、だれかに支えになってもらうことも必要ですよ。