血を伴う肉を食べてはならない

 「魂」という言葉を聞くと、日本人であれば、多くの人は白くて丸い色をした浮遊する人間の霊を思い浮かべると思います。でも聖書を読むときは、そのようなイメージで読むと意味をまったく取り違えてしまいます。

 実は聖書の中では、魂という言葉は「動物や人間の命」を指す言葉として使われています。多くの場合は「命」という言葉で読み替えると意味がうまく通じます。

 エホバの証人は血を取り入れることを避けることで知られていますが、なぜ避けるのかという理由については、知らない方が多いのではないでしょうか。

 多くのエホバの証人の方は、聖書にそう書いてあるからと答えるかもしれませんが、実は聖書中にはっきりとした根拠があります。

 次の聖句をご覧になってみてください。

 その魂つまりその血を伴う肉を食べてはならない。さらにわたしは,あなた方の魂の血の返済を求める。すべての生き物の手からわたしはその返済を求める。人の手から,その兄弟である各人の手から,わたしは人の魂の返済を求める。
(新世界訳聖書 創世記9章4,5節)

 この聖句の最初の部分では、「その魂」が「その血を伴う肉」と同義とされています。「魂」というのは「命」のことでした。つまり、「血を伴う肉」というのは、エホバの目から見れば、「命」です。

 そしてエホバは血の返済を、動物と人間を含めて、神に返すことを求めておられます。

 つまり、この聖書の言葉が言っていることを要約すると、「動物や人間の血をとりいれてはならず、それを神に返さなければならない」ということです。

 命は神からのものでした。ですので、命は神に返す必要があります。

 人間的な観点から見れば、他人の血というのは有用な医療品です。しかし、エホバの観点から見れば、それは神がその個人に与えたものなので、だれかが利用するのではなく神に返す必要があります。

 エホバの証人は、この聖書の言葉を重く受け止めています。これは神の言葉だからです。

 それで、神に敬意をこめて、血の主要成分については、取り入れないという決定をしています。命は神から与えられたものなので、エホバの証人は命を大切にしたいと思っています。

 それで、血の主要成分を利用する医療以外の治療は喜んで受け入れるという決定をする人が多いと思います。