あなたはご覧になる神です

 アブラハムとサラの間には長い間子どもができませんでした。後にイサクと呼ばれる子どもがアブラハムとサラの間に生まれますが、アブラハムが100歳、サラが90歳の時にイサクを身ごもったのでした。

 アブラハムには、もう一人の妻がいます。ハガルといってサラのはしためでしたが、アブラハムに子どもをもうけてもらうために、アブラハムに妻として与えました。

 ハガルという女性は、あんまり目立ちませんが、僕の好きな聖書のせりふを言っているので書くことにしました。

 ハガルは自分に子どもができると、サラを侮るようになりました。サラは反対に、そのことを気にして、ハガルを辱めるようになりました。

 ハガルはサラのもとから逃げ出しました。

 エホバは、ハガルのことを気にかけられてみ使いをハガルのもとに送りました。エホバはハガルの苦悩を見てみ使いを通して「あなたの子孫を大いに増やす」といわれました。

 エホバは、アブラハムとサラのことだけではなくて、サラのはしためハガルのことまで、気にしてくださり、苦しみを理解してくださったのでした。

 そして、ハガルはエホバが自分のことをご覧になってくださる方であるということを理解しました。

そこで彼女は,エホバつまり自分に語りかけておられた方の名を,「あなたはご覧になる神です」と呼ぶようになった。彼女は,「わたしを見ていてくださる方を,わたしはここで実際に見たのでしょうか」と言ったのである。
(新世界訳聖書 創世記16章13節)

 アブラハムは、祝福された国民を生み出すという祝福をエホバから与えられていましたが、エホバは特別な祝福を得る人だけを気に留めておられたわけではありませんでした。

 エホバは求める者すべての近くにおられる神だからです。

 会衆の中で目立たない立場であったり、自分は人気者ではないなぁと感じていたとしても、エホバはご自分を愛する人すべてを気にかけておられるというのは、大きな慰めです。

 もし他の兄弟や姉妹に対して「嫉妬心」や「ねたむ気持ち」が大きくなってきたとしたら、エホバは目立たない人であっても、ひとりひとり対して優しい気遣いをしてくださる神であるということを思い出してみてください。

 ハガルが感じたように、神が実際にあなたをご覧になり、あなたも神の気遣いを実際に見ることができます。

 エホバはいつも天から僕たちのことを見ておられます。天から耳を傾けて祈りを聞いてくださろうとしておられます。

 苦しみをご覧になり、いつも気遣ってくださる神エホバが賛美されますように。