人にアドバイスするときにはまず自分をよく吟味する

 聖書には実際の生活に役立つ情報がたくさんおさめられています。会社などで働いていて、経験が増えてくると、他の人にアドバイスする機会が増えてくるのではないでしょうか。

 学校の先生であれば、保護者の方や生徒さんに相談を受けたりすることが多いと思います。

 他の人の作業を見ていると、自分ならこうやるのにと考えて、もやもやした気持ちになったことはありませんか。それで、勢いあまって、すぐに口を出してしまって、失敗するということも多いかもしれません。

 またすぐに自分の信じていることを押し付けようとすると、服従させようとしている勘違いされて、人間関係を損なってしまうということにもなりかねません。

 仲間とは気持ちのよいコミュニケーションを築いていきたいものです。

 聖書の中では、よく自分を吟味してから、他の人にアドバイスをするようにということが勧められています。

 では、なぜ兄弟の中にあるわらを見ながら、自分の目の中にある垂木のことを考えないのですか。また、どうして兄弟に、『あなたの目からわらを抜き取らせてください』と言えるのですか。しかも、ご覧なさい、自分の目の中には垂木があるのです。偽善者よ!まず自分の目から垂木を抜き取りなさい。そうすれば、兄弟の目からわらを抜き取る方法がはっきり分かるでしょう。
(新世界訳聖書 マタイによる書7章3-5節)

 少し難しいですね。少し解説しますね。

 これはイエスが述べた言葉です。兄弟と書かれているのは実際の兄弟ではなくて、仲間のことを指しています。

 垂木というのは家を建てるための木のことです。わらは「小さいもの」のたとえ、垂木は「大きなもの」のたとえになっています。

 つまり、要約すると「自分の目の中に大きな不純物が入っているのに、どうして他の人の小さな不純物を抜き取ることなどできるでしょうか。最良のアドバイスを他人にするためには、まず自分の悪いところを直しなさい」という意味ですね。

 アドバイスをしようとするときは、自分のアドバイスが正しいと思い込むのではなくって、自身の間違っているかも知れない点について、よく考えてみるようにします。

 そうすれば、さらによいアドバイスができると思います。

 他にもいろいろなことを考えることができると思います。その人が一番やりやすい方法はどんなだろうか。本当に今言う必要があるだろうか。どんな言い方をしたら、うまく伝えることができるだろうか。

 仲間と良いコミュニケーションを持って、仲良くやっていきたいものですね。

今回のポイント

自分を吟味すれば、最良のアドバイスができる