イエス・キリストの人物像 第7回 「イエスは罪を受け継いでいない」

 人は生まれながらにして罪を負っているというという言葉を聞いたことがある方は多いかもしれません。一般的には、原罪と呼ばれるものですね。(エホバの証人ではあんまり使わない言葉ですけれど。)

 僕たち日本人には、少しピンときません。生まれながらに罪を背負っているという感覚がないからです。人間は猿から進化したと、学校では教えられるので、罪を受け継いでいるという感覚がありません。

 最初の罪について知るためには、アダムについて知る必要があります。聖書を信じるならば、人間は進化によって人間になったのではなくて、神によって創造されました。これが、最初の人間アダムです。

 アダムは、エデンの園と呼ばれる場所で、動物を管理して生活していました。エデンの園は、中東アジアのどこかにあったと想定されます。アダムは、神に似せて造らて、神と共にずっと生きる予定でした。

 けれども、アダムはその木からは決して食べてはいけない、食べれば必ず死ぬといわれていた木から、実をとって食べました。これは、神にとって非常に大きな罪でした。その結果、アダムは永遠に生きるはずでしたが、930歳で死にました。

 また、罪は子孫すべてに引き継がれることになります。そして、その罪の結果人は死んでいきます。

 「人はなぜ死ぬんだろう」という答えは、罪を受け継いでいるからです。もともと人は、神に似せて造られたので、ずっと生きておられる神と共に生きる予定でした。けれども、罪を犯してしまったので、その機会を失ってしまい、すべての人は死ぬようになりました。

 ですから、すべての人は罪を受け継いでおり、死んでいきます。

 けれどもイエスはどうでしょうか。前回お話したとおり、マリアのお腹を借りたとはいえ、イエスは人間の子孫ではありません。アダムと同じように、神によって直接に、人間として創造されました。

 罪を受け継いでいる人間としてではなく、聖霊によって罪のない人間として生み出されました。また、アダムが神のおきてを破って罪を犯したのに対して、イエスはその生涯、神に対して罪を犯しませんでした。

 アダムは最初は罪はありませんでしたが、罪を犯して、すべての人間が罪を背負うようになりました。イエスは、罪を受け継いでおらず、生涯罪を犯しませんでしたが、まるで大きな罪を犯した罪人のようになって処刑されて、生涯を終えました。

 イエスが罪を犯さずに、ご自分の完全な命を、アダムの罪に対して、捧げたので、再び、人間は永遠に生きるという希望を持つことができるようになりました。

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