イエス・キリストの人物像 第8回 「イエスは神の王国を宣べ伝える」

 イエスは、処女マリアから生まれました。もともとの天におられ、エホバのそばで働いておられましたが、人の子イエスとして、地上で誕生し、育ち、30才くらいのときに、伝道活動を開始されました。

 マルコの福音書では、イエスが伝道を開始したときの言葉は「神の王国は近づきました。」という言葉でしたね。

 イエスが地上にこられた目的は主にふたつあります。ひとつめは「罪の贖いを供えること」で、もうひとつは「神の王国を宣べ伝えること」です。

エスが地上にこられた目的

  1. 罪の贖いを供える
  2. 神の王国を宣べ伝える

 今日は神の王国を宣べ伝えるということについて書きたいと思います。エホバの証人が、お宅を訪問することがあると思いますが、何をしにきているのだろうと思ったことはありませんか。

 実はお伝えしたい一番のことは、神の王国についてなんです。神の王国ってなんでしょうか。それは、反対の言葉を考えてみれば、イメージがつかみやすいと思います。神の王国の反対の言葉は、人間の王国です。

 アメリカという国や日本という国、イギリスという国や、中国という国について考えてみてください。国は領土を持っています。管轄地域を持っていて、そこに支配権を持っています。国には国民がいます。その国の国籍を持っていて、税を納め、サービスを受け取ります。

 そして僕たちは、国に対して、国民の生活を豊かにしてほしいということをいつも望みます。けれども、いつでも期待したとおりの結果にはならずに、憤ってしまいます。

 けれども、たったひとつだけ、僕たちの期待を裏切らない国があります。それは、神の王国です。

 神の王国は、人間によって打ち立てられた王国ではありません。神の王国は、神によって打ち立てられた王国です。人ではなくて、神によって設立された王国です。

 神の王国は、反映しては、衰退していくような、そのような貧弱な王国ではりません。土台石は、王イエス・キリストであり、永久に続く王国です。その祝福に終わりはありません。

 また地上に存在する見える王国ではありません。天に存在している目には見えない王国です。今はまだ、地上を完全には支配していませんが、聖霊によって多くの導きを与えてくれています。そして、終わりの日にあって、エホバの崇拝者を多く集める仕事を行っています。

 神の王国は、終わりのときに、すべての王国を打ち砕いて終わらせ、それ自体は定めのないときまで続きます。サタンは打ち砕かれ、エホバの義が地上に満ちます。もう苦しみや死や嘆きはありません。

 平和が訪れます。待ちに待った平和です。もうその平安が損なわれることはありません。

 このような王国をイエスは地上にきたときに宣べ伝えました。ですから、「神の王国が来ますように」という祈りは、僕たちエホバの証人にとって、大切な祈りです。

 そして、その到来は、僕たちが救いの音信を聞いたときよりも近くなっています。神の王国の祝福によって「柔和な者たちは地を所有し,豊かな平和にまさに無上の喜びを見いだ」します。

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