イエス・キリストの人物像 第25回 イエスの言葉「心配して気をもむのをやめなさい」

 僕たちはたくさんの心配ごとをすると思います。これがなければうまくやっていけないとか、こういう生活をしなければ変に見られるとか、自分に能力のないことや、自分の容姿に自信がないこととか、たくさんの思いわずらいがあると思います。

 また家族関係、友人関係、恋人など、たくさんの人間関係の中で、たくさん悩みを持つと思います。どうして自分だけが辛い思いをしなくちゃいけないんだろうと、周囲をうらやましく思ってしまうこともあると思います。

 自分の弱さのために、自分を責めてしまうかもしれません。また自分のもののみ方はなんて狭量なんだろうと、自己嫌悪に陥ってしまうことがあるかもしれません。

 また病気がちの人であれば、健康になりたいなぁと思ったり、障害を持たれる方であれば、マイノリティであることに不安を抱いたりするかもしれません。

 悩みを持っていない人はほとんどいないんじゃないかな。社会は必要以上のことを求めたり、必要だと思わせる傾向があるから、それで気づくと、「これがないと絶対だめ」という心の狭い状態になりやすいのかもしれませんね。

 イエスは、人の心の状態がよくわかっていました。だれもが性格上のことで悩んでいるということをよく理解していたのでこんな言葉をかけました。

 それで,自分は何を食べるのだろうか,何を飲むのだろうかと尋ね求めるのをやめ,心配して気をもむのをやめなさい。これらはみな,世の諸国民がしきりに追い求めているものですが,あなた方の父は,あなた方がこれらのものを必要としていることを知っておられるのです。
(新世界訳聖書 ルカによる書12章29-30節)

 イエスは思い煩うのをやめなさいといいます。その理由は、「天の父はあなたが必要としているものを知っているから」という答えです。君が今どんなものを必要としているかを、エホバはよく知っておられるということです。

 エホバは、必要なことを知っていていつも与えてくれるから、必要以上に思い煩う必要はないんだよということを伝えたかったのだと思います。だからだいじょうぶなんだ。安心してエホバの上に悩みを転がしちゃえばいいんだよ。

 自分の辛い気持ちを知ってくれる方がいるということを知るととても安心できます。辛い気持ちを友達に話したときに、気持ちが楽になるという経験をしたことがある人は多いと思います。神を知るようになって、神と親しくなれば、自分の気持ちを神に打ちけることができます。

 エホバが知ってくれているということは、つまりエホバが助けてくれるということだね。助けを呼び求めているのに、悪いことを返す父親はいないね。だから、天の父も必ず助けを与えてくれるということが確信できるね。

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