パンとぶどう酒 第一回「キリストの死の記念式」
エホバの証人は年に一回キリストの死を思い起こすために「キリストの死の記念式」を行います。1年でもっともたくさんの人が集まるイベントでもあります。
記念式は、キリストの贖いの犠牲を思い起こすという意味があります。イエスの死を忘れないように、イエス・キリスト自らが、弟子たちに命じたものです。記念式は、キリストが到来するときまで続きます。
でも記念式では、実際は何を行っているのかということの意味を実感するのはとても難しいんじゃないかと思います。実際に、無酵母パンとぶどう酒には、どんな意味があるのだろうと疑問に感じる方もたくさんおられるに違いありません。
エホバの証人が行う、記念式では、無酵母パンを食べて、ぶどう酒を飲む人もいれば、そうしない人もいます。エホバの証人の、ひとりひとりが、祈りのうちに、神の霊に導かれて、食べるかどうかを決めます。
だれかが食べさせないようにしたり、食べさせるようにするということはありません。各自が祈りのうちに、決定します。食べたから他の人から特別扱いされたり、食べなかったから特別扱いされたりということはありません。
特権階級にいる高い地位の人だけが食べるというわけでもありません。食べる人の中には、若い人も年老いた人もいますし、男性も女性も、長老として働く人、伝道者として働く人もいます。
食べて飲む人が、どこか一定の場所にいるというわけでもなく、世界中にいます。特定の人種の人が食べて飲むというわけでもありません。
それで、いったいこれはどういう儀式なんだろうと不思議に思うかもしれません。
ではまず、最初はパンとぶどう酒にはどのような意味があるのかということを知ると、記念式を理解するのに役に立つと思います。パンとぶどう酒は何を表しているんでしょうか。パンとぶどう酒は、何を起源にしているのでしょうか。
それを見ていくことにしましょう。