パンとぶどう酒 第6回「過ぎ越しの祭り」

 皆さん過ぎ越しの祭りって知っていますか。イエス・キリストの死の記念式の起源ともいえるお祭りですね。

 過ぎ越しについては、前回お話ししましたが、戸柱に血を塗っておいた家の初子については、エホバは殺さずに、その場所を過ぎ越されたのでした。

 過ぎ越しの祭りは、ニサンの14日の日没後に始まります。ニサンというのは、太陰暦で考えた場合の1月のことです。最初の月の14日目の夕方です。太陰暦で言うと1日というのは新月なんですね。15日目が満月になります。

 新月というのは夜は月がでていないので暗いですね、14日の夕方は、月はほぼ満月ですので明るいですね。

第一の月,その月の十四日,その二つの夕方の間は,エホバに対する過ぎ越しである。
(新世界訳聖書 レビ記23章5節)

 過ぎ越しのときには、エホバはご自分の民であるイスラエル人に犠牲を捧げることをお求めになりました。

さて,イスラエルの子らは過ぎ越しの犠牲をその定めの時に調えるべきである。この月の十四日,二つの夕方の間に,あなた方はそれをその定めの時に調えるべきである。
(新世界訳聖書 レビ記9章2-3節)

 過ぎ越しの祭りは無酵母パンの祭りと同じものです。14日目には過ぎ越しが行われて、15日目には祭りが行われ、それから7日間の間は無酵母パンを食べます。

 この期間はエホバのお祭りなので、民は罪のない清い状態でいる必要があります。それで、犠牲を捧げ、パン種の入っていない無酵母パンを食べて、エホバに対して清い状態を保ちます。

 年に1回開催される過ぎ越しの祭りは、エホバがご自分の民をエジプトから救出してくださったことを忘れないためのお祭りです。毎年過ぎ越しの犠牲を捧げることによって、最初の過ぎ越しを思い起こすことになります。

 救出された記憶というのは、年々薄れていくのかもしれませんね。それで、エホバはご自分のために、過ぎ越しの祭りを記念として行うように命じたのかもしれませんね。

 イエスは、過ぎ越しの犠牲となられて、僕たちを罪の奴隷状態から救出されました。記念式は、イエスによる救出を思い起こすためにとても役立ちますね。エホバはみ子を用いて、人類が救出されることをよしとされました。それはとても嬉しいことじゃないでしょうか。

前の章へ 目次へ 次の章へ