エホバの証人の個人は、どの組織にも属してはいない

 事実を述べると、エホバの証人の個人は、どの組織にも属していません。属するという意味は、所属するという意味です。組織に属しているという認識を、もしかしたら持っているのかもしれないですが、組織に属しているといういいかたは、間違いであると思います。

 エホバの証人の個人がどの組織にも属していないということは、統治体やものみの塔協会は、理解していると思います。それを知った上で、どこかの組織に所属しているような意識を持たせたいというのが、意図としてあると思います。

 ですから、バプテスマの言葉も、よく注意して、作成されているように思います。

あなたは,献身してバプテスマを受けることにより,自分が,神の霊に導かれている組織と交わるエホバの証人の一人になることを理解していますか。

 「組織に所属する」と書かれずに「組織と交わる」と書かれていますね。また「一員になる」とは書かれておらず、「一人になる」と書かれていますね。どこの組織にも所属してはいないけれど、まるで組織に所属するような印象を与えることが、この文章では意図されているように思います。

 ではここでは、組織という言葉は、何を意味しているのでしょうか。ほとんどのバプテスマ希望者は、組織という言葉で、エホバの証人の兄弟・姉妹を意味していると感じているはずです。

 けれども、お気をつけください。この組織という言葉は「ものみの塔協会」を指していますよ。奉仕の僕、長老と階級を上に上がっていくに従って、この組織という言葉は「ものみの塔協会からの垂直的で絶対的な指示」を意味するように変えられていきます。

 「組織に従順でありなさい」「組織の提案を当てはめなさい」「組織の指示に従いなさい」とよく聞くでしょう。いつのまにか、組織という言葉は、ものみの塔協会を意味するようにすり替えられていきます。これが、統治体とものみの塔協会が、長い間にわたって行ってきたコントロール手法のひとつです。

 「奴隷級」と「組織」という言葉を、そろそろ終わりにしませんか。奴隷級と言わずに、統治体と言いませんか。組織とは言わずに、それがものみの塔協会を指すときはものみの塔協会と言って、仲間の兄弟・姉妹を指すときは、仲間の兄弟・姉妹と言いませんか。

 「組織という言葉」や「組織という概念」によって、いま大きな分裂が生じようとしているので、この言葉を使うのを控えませんか。組織という言葉をつかわなくても、エホバへの崇拝は、十分可能だと思います。

 僕たち個人は、そもそも、どの組織にも属していませんし、ものみの塔協会との関係は、対等な関係ですよ。そこには兄弟関係があるだけですよ。