彼らは地に対し王として支配するのです

 啓示の書にでてくる「彼らは地に対し王として支配するのです」という聖句があります。統治体の解釈においては、この地は地上に住む人々を指していて、イエスと14万4000人が地に住む人々を支配するという解釈になっています。

 けれども、僕は違う解釈を考えています。一つ目に、「人が人を支配して害を及ぼした」という状態が取り除かれなければならないのに、どうして、人が二つのグループに分けられて、一方が一方を支配しなければならないのでしょうか。

 この解釈は、現在の統治体の権威を支えるために、大いに役立っているものと思いますが、そもそも地を支配するであろうというのはこのような解釈なのでしょうか。

 僕はまったく違う解釈を言います。それは次のような理解です。

地とは、地球のことで、地に含まれるものは、地球の産物と動物。人間は含まれない。

 どうして僕はそう解釈したのでしょうか。それは、神の目的が最初の状態を取り戻すことにあるからです。エデンの園で神が人間に望まれた、最初の状態を取り戻すことが、神の目的だからです。神は最初にこういわれました。

「子を生んで多くなり,地に満ちて,それを従わせよ。そして,海の魚と天の飛ぶ生き物と地の上を動くあらゆる生き物を服従させよ」。
(新世界訳聖書 創世記1章28節)

それということばが指しているのは、地のことです。そして、地を従わせて、地にいる動物たちを服従させるようにと書かれています。

 これが、人間と地球との関係でした。地と動物は人間に服すのです。そして、人間は神に服すのです。これが、神が意図された関係でした。神を冒涜し、支配欲を人間に対して満たすことは、神が望まれたことではありませんでした。

 しかし人が神に対して罪を犯して反逆を示した結果、地は本来の状態を失ってしまいました。「地面はあなたのゆえにのろわれた。」とあります。しかし、神は愛あるかたですので、すべてを奪うことはせず、罪人に対しても、自然の恵みを示してこられました。

 罪を犯した人類を、暗い監獄に置くようなことはされなかったので、僕たちは、自然の恵みを楽しむことができています。「[父]は邪悪な者の上にも善良な者の上にもご自分の太陽を昇らせ,義なる者の上にも不義なる者の上にも雨を降らせてくださるのです。」

 統治体は罪人を追い出しますが、神は恵みを残してくれる方でした。

 ですから、地を支配するという状態は、人が人を支配する状態ではなくて「神が人を支配し、人が地を支配する」という元通りの関係のことを表していると解釈します。