兄弟・姉妹を過酷に苦しめている排斥制度の廃止

 エホバの証人の内部改善するにあたって、大きな目標の一つは排斥制度の廃止です。排斥は、たんなる除名というものではなくて、その人を永久にわたって全員で無視するという過酷なものです。また同居していない家族は完全に無視するように、同居していたとしても接触はできるだけ避けるようにさせます。

 はっきりといってしまえば、自分の生活が苦しくなったり、自分が高齢で介護が必要になったときに、唯一助けてくれるのは家族です。組織は何もしてくれません。年配にもさしかかろうとしている兄弟・姉妹たち、もう組織を仰ぎ見て信じるのではなくって、もう少し実際に助けてくれる家族のほうにどうか目を向けてください。

 はっきりといいますけれど、組織は困ったときには何も助けてはくれません。お金についても、介護についても何もしてくれません。助けてくれるのは本当に親しい友か家族だけです。

 ですから、家族を永久にわたって忌避させるような、排斥制度は、社会的な側面からみても、一種の差別的な制度です。これを「愛をある」といわれて信じ込まされているならば、今一度考え直すべきときです。はっきりいいましょう。これは「組織保護」のための詭弁であって、愛はまったくありません。

 また実際に辛い状況におかれた兄弟・姉妹がおられるので、早めに決着したいです。「排斥制度」と「輸血拒否によるみなし断絶」のふたつは、早めになくしたいです。ご協力ください。

排斥制度を廃止するためには

 排斥制度を廃止するのにできることを書きます。

排斥制度を廃止してほしいことについて書く

 排斥制度をなくす一つ目の方法は、統治体、ものみの塔協会と交渉できるようにする必要があります。しかし、組織と意見が異なった場合に、背教とみなして、排斥するので、公に交渉することが、現在不可能になっています。

 ですから、まずできることは、匿名で意見を書くことです。多くのエホバの証人が、排斥制度をなくしてほしいことに書いてくれれば、それは、ものみの塔協会へのメッセージになります。また、会衆の兄弟・姉妹へのメッセージになります。

 実際に、それは愛のない行為だと認識する兄弟・姉妹も多くなってきていますので、まず排斥はひどいということを、兄弟・姉妹に伝えていきましょう。

排斥制度が廃止されるまでは寄付をしない

 排斥制度にノーという方法の一番簡単な方法は、寄付をしないということです。世界的な業と王国会館基金にまったく寄付をしない。また、会衆の寄付の中から、世界的な業に寄付すると取り決めがあれば、二重取りが行われなくなるまでは、寄付をしないということです。

 ものみの塔協会はたくさんの資産を持っています。たくさんの資産を持っていますし、法律部門、財務部門、印刷部門、映像製作などを行う部門など、たくさんの利用できる人材も持っています。聖書に書かれたとおり、富がものみの塔協会を傲慢にしていて、僕たち兄弟・姉妹の言葉に、耳を傾けることが、ものみの塔協会はできなくなってしまっています。

 ですから、まず多くの資産を持つものみの塔協会を小さくすることは、排斥制度を廃止するためには効果的なことです。ものみの塔協会は、友の声は聞いてはくれませんけれど、資産がなくなると、自分たちの生活が危うくなるので、そのことに関しては、危機感を持ってくれるからです。

 ものみの塔協会が、他の会衆と肩を並べて歩んでいけるようにしてあげるほうが、聖書的に見ても健全なことです。たったひとつの組織が数千億円の資産を持っている状況というのは、1世紀当時には存在はしませんし、その状態は、クリスチャンとしてみた場合は非常におかしなものです。

外部の人権を扱っている機構、マスメディアなどに協力を呼びかける

 家族を忌避させるというのは、重要な人権問題だとみなされる風潮が、世界的にも高まってきているような気がします。信教の自由という保障のもと、ものみの塔協会は、兄弟・姉妹にひどいことをおこなっていても、法律に反しない限りは、国家から干渉受けることはこれまではありませんでした。

 信教の自由や結社の自由というのは、そもそも、国家が宗教を弾圧しないという観点で、憲法に定められているものです。けれども、その保護を利用して、宗教団体が、国家権力からの干渉を拒否し、みずからの信者に過酷なことを課していたらどうでしょうか。

 最近は、宗教団体が、個人個人の人権に過度に犯しているという観点からも、語られるようになってきている段階なのじゃないかなぁと思います。

 排斥制度は、全員でその人を無視する、家族と接触させないという、精神的ダメージも大きく、過酷でひどいものですから、「人権問題」「エホバの証人ではなくなった人への差別問題」として取り上げてもらうことは、十分可能だと思います。

 インターネットは信じない兄弟・姉妹でも、新聞やテレビといった大衆メディアは、信じる兄弟・姉妹は多いです。ですから、多くの人が知ることができる環境で取り上げてもらえると、ものみの塔協会は、排斥制度について廃止することも考慮に入れるかもしれません。

実際に苦しんでいる人がいるということを知る

 多くのエホバの証人の兄弟・姉妹にとっては、排斥された人というのは、他人事だと思います。でも、実際に苦しんでいる兄弟・姉妹がたくさんいるということは、よく考えてほしいと思います。家族の絆が断ち切れていたり、完全に無視されて心に心的外傷を負わされている兄弟・姉妹もいるからです。

 実際に、心的外傷を負わせているのですから、愛があるなどとはいわないことです。「愛は罪を覆う」のであって、人の心をえぐるものではありません。もし排斥されている兄弟・姉妹が会衆におられるならば、その心の痛みを、自分に置き換えてみてください。そして、心的外傷を発生させるような、無視という行為を、強く憎みましょう。

 自分に罪がないと思う人だけが、その人に石を投げましょう。