種をまくということの比喩の意味

 「種まき人は種をまきにでかけました」。種とはなんでしょうか。種とは、小さなものです。それは、ほんの人差し指の先に乗る程度の大きさしかありません。それは、小さく弱く、まだ生まれてもいません。

 種まき人は、たくさんの失望を経験します。種をせっかくまいたのに、その種は、実を出しません。種をせっかくまいたのに、それは途中まで成長して枯れてしまいます。

 それでも、種まき人は、種をまくことをあきらめません。種がよい土の上にまかれたならば、それが、何十倍をも生み出すことを知っているからです。

ほか[の種]はりっぱな土の上に落ちて実を生じるようになり,あるものは百倍,あるものは六十倍,あるものは三十倍[の実をならせました]。
(マタイ 13:8)

 種まき人には、たくさんの悲しみがあります。種はとても小さいので、それは見下げられたものです。成長するかどうかもわかりません。風に消し飛んでしまうかもしれません。それで、人々はすでに咲いた花のほうを好みます。

 けれども、種まき人は、種をまくことをやめません。最初は小さな種であっても、それが成長すると、とても大きくなって、それが、天の鳥たちをも宿すようになっていることを知っているからです。それを、とても喜びます。