エリフがヨブに言いたかったことは何か

 ヨブ記は、読んで理解するのがとても大変な書物だと思います。三人の友は、正しいことを言っているようにも感じるし、神を非難しているヨブが悪く見えるということもあると思います。

 最後に、年長者としてエリフが現れますが、エリフが、ヨブに言いたかったことをまとめてみます。

自分を神より正しいとしてはならない

 一つ目のヨブの悪い点は、自分を神より正しいとしてはならないということです。

ところで,ラムの氏族のブズ人,バラクエルの子エリフの怒りが燃えた。ヨブに対して彼の怒りは燃え盛った。[ヨブ]が神よりもむしろ自分の魂を義と宣したことに対してであった。
(ヨブ 32:2)

辛抱してわたしの話を聞くように

 ヨブは、批判を繰り返していましたが、エリフに対しては、辛抱強く聞きます。エリフが、ヨブにこのようにいったからです。

しばらくの間,わたしのことを辛抱するように。そうすれば,わたしはあなたに告げ知らせよう。
まだ,神のために[言うべき]言葉があるということを。
(ヨブ 36:2)

神は夢の中で語る

 エリフは、神は、夢の中で語ると言います。

どうして,[神]に向かって,あなたは争ったのか。
あなたのすべての言葉に[神]が答えてくださらないからといって。

神は一度語られ,
二度[語られる]―人はそれを気に留めないが―


夢,夜の幻の中で,
深い眠りが人々を襲うとき,
床の上でまどろむときに。


そのとき,[神]は人々の耳を開き,
彼らのための勧告にその印を押される。
(ヨブ 33:13-16)

ヨブは最後に、神と話すことができた

 エリフの助言を静かに聞き、そして、聞き入れたときに、ヨブは、神から語りかけられます。これが、ヨブ記のクライマックスです。神を非難してまで望んでいたヨブの希望がかないます。

そこでエホバは風あらしの中からヨブに答えて言われた,
(ヨブ 36:1)

 ヨブ記は、「ヨブはエホバに対して忠節だった」というようなエホバの証人で教えられるような単純な構成ではありません。協会の解釈のままヨブ記を読むと、ちぐはぐで意味がわかりません。ヨブには葛藤があり、三人の友はヨブを不当に非難します。エリフは、ヨブに正しい助言をし、ヨブは、神と会話をすることができます。

 「神を待ち望む」ということは、ヨブ記のテーマでもありますし、イエス・キリストが語ったことでもあります。聖書全体には「神を待ち望む」という考え方が、一貫してあります。