「エホバの証人ではなくなった人を避けますか」の正確な回答

 エホバの証人の公式サイトには「エホバの証人ではなくなった人を避けますか」という質問への回答が掲載されていますが、読む人に対して、多くの誤解を与える表現になっていると思います。

 ですから、少し補足して、エホバの証人の現状を加味した回答にしたいと思います。

不活発者に対する対応

バプテスマを受けてエホバの証人になったものの伝道をやめ,仲間との交友から遠のいている人たちを避けることはしません。むしろ,その人を訪ね,信仰を再び強めるよう励まします。
エホバの証人ではなくなった人を避けますか

 エホバの証人では、伝道に参加しない人のことを「不活発なエホバの証人」と呼びます。伝道をしないという決定をする人は、会衆のなかで差別される傾向があります。

 ものみの塔協会の統治体の成員のひとりは「15分の伝道をしなければ、忍耐していることにはなりません」とのべ、不活発なエホバの証人は「忍耐ができない人」という否定的な評価を大会の話で行いました。

 ですから、積極的に、訪ねたり、励ましたりしているという事実は、この答えで書かれているようには、ないです。反対に、少しでもものみの塔協会が背教的と判断した不活発者に対しては、まったく訪問したりはしません。

排斥に関して

重大な罪を犯した人であっても,自動的に排斥されることはありません。
(エホバの証人ではなくなった人を避けますか)

 自動的に排斥されることはありませんと書かれていますが、排斥の決定というのは、審理委員会というもので行われます。審理委員会は、録音が禁止されており、長老(エホバの証人の聖職者)3人と排斥の対象となる人物で行われる、密室裁判です。

 つまり、審理委員会が公正に行われたどうかということをチェックする仕組みがありません。長老とものみの塔協会による一方的な判断で、排斥を行うかどうかが決定してしまいます。冤罪を防ぐための仕組みがないです。

 ですから、突然にして、無実の罪で排斥される可能性もあるということです。過去には、性的虐待を訴えるためにテレビ出演したエホバの証人の兄弟を、自動的にエホバの証人でなくしたという事例もあります。

 また、輸血を受け入れて悔い改めない人を、自動的に断絶させるという指導が、長老の指導書の中でされています。

 つまり、ここで書かれている「自動的に排斥されない」というのは言葉のトリックで、ものみの塔協会は「ものみの塔協会の一方的な意思のみで、自動的に信者を断絶させることができる」という制度を持っています。

 排斥者と断絶者への扱いはまったく同じで、エホバの証人全員から、徹底的に避けられます。

とはいえ,バプテスマを受けたエホバの証人が聖書の道徳規準を破って悔い改めないなら,排斥されます。聖書は「その邪悪な人をあなた方の中から除きなさい」とはっきり述べています。―コリント第一 5:13。
(エホバの証人ではなくなった人を避けますか)

 ここでは、排斥の理由に関して「聖書の道徳規準を破って悔い改めない」とだけ書いてありますが、排斥の理由はそれだけではありません。たとえば「西暦前607年のエルサレムの滅びは間違っている」ということを、いっただけでも、ものみの塔協会への反抗とみなされて、排斥されます(受け入れなくてはならない信条)。

 このことは、エホバの証人バプテスマを受ける前には、エホバの証人になる人に対しては、排斥自由としては知らされません。また何が「聖書の道徳規準」として排斥自由になるかという具体的な項目についても、知らされることはありません。

 つまり、ものみの塔協会が任意に示した理由で、排斥を行えるということです。このことは、エホバの証人になる前に、よく理解しておいてほしいです。

排斥された家族との関係

ある人が排斥されたものの,妻や子どもが引き続きエホバの証人である場合はどうでしょうか。宗教的な結びつきは変わりますが,家族としてのきずなは変わりません。結婚関係,家族の愛情やかかわりは続きます。
(エホバの証人ではなくなった人を避けますか)

 まず前提が書かれていないのが残念です。家族ではない排斥されたエホバの証人に対しては、ものみの塔協会は、徹底的に避けるようにエホバの証人に指導を行っています。エホバの証人全員で完全に無視をするということです。これは、人権侵害の問題が強く疑われています。

 次に家族に対してですが、同居していない家族に対しては、ものみの塔協会は、必要最低限のこと意外は徹底的に避けるように指導しています。家族であっても、同居していない場合は、徹底的に無視するように教えています。

 この前提を書いていないと、これを読んだ人は、エホバの証人でなくなった人を避けないと感じてしまうと思います。

 またここで書かれている「宗教的な結びつきは変わりますが,家族としてのきずなは変わりません。」の具体的な意味は、まだものみの塔協会は、一度も集会の場所では、説明してないです。エホバの証人の兄弟・姉妹は、この意味がどういう意味なのかを知らされていません。

排斥された人が集会に出席した場合

排斥された人もわたしたちの集会に出席できます。
(エホバの証人ではなくなった人を避けますか)

 集会に出席できますが、排斥者への対応は、全員から徹底的に避けられ、無視を受けます。これが、1年以上また、無期限に続きます。排斥された人にとっては、集会はこのような過酷な環境です。

排斥からの復帰

望むなら,会衆の長老から聖書に基づく助言をもらうこともできます。わたしたちの願いは,排斥された人が再びエホバの証人の一人になることです。排斥されても,ふさわしくない行ないをやめ,聖書の規準に沿って生きたいという誠実な願いを表わす人は,再び会衆の一員になれます。
(エホバの証人ではなくなった人を避けますか)

 排斥からエホバの証人に戻ることを復帰といいますが、復帰の基準の特にはなく、長老の裁量しだいになるので、復帰するためには、ものみの塔協会への服従が要求されます。ですから、延々と2年も3年も、避けられ続けられている人がいるということです。これは、過度な制裁を無期限与え続けることは、人権侵害の疑いがあります。

 たとえば、排斥の自由が冤罪だったとしても、その調査を行ってもらえず、罪を認めて悔い改めなければ、復帰できないということです。存在しない罪を認めて悔い改めなければ、エホバの証人全員から、無期限に避けられ、無視されることになります。

 以上がエホバの証人の現在の排斥制度であり、「エホバの証人ではなくなった人を避けますか」の正確な回答です。もし「そんなバカな、この人は嘘をついている」と思うならば、他の人にも、質問してみると、本当のことがわかると思います。

 エホバの証人になろうという選択をする方は、もしなるのであれば、排斥制度とは、このようなものであることを、理解しておいてください。

現在排斥されて家族と疎遠になっている方へ

 現在、公式サイトには「ある人が排斥されたものの,妻や子どもが引き続きエホバの証人である場合はどうでしょうか。宗教的な結びつきは変わりますが,家族としてのきずなは変わりません。結婚関係,家族の愛情やかかわりは続きます。」と書かれています。

 もし親や兄弟や子供と話をしたいという思いがあるのであれば、この公式サイトで示された方針を積極的に活用してみるのはいかがでしょう。